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ゴルフ 飛距離の歴史と変遷 -限界はあるか

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飛距離の歴史

全米ゴルフ協会と全英ゴルフ協会が共同で、ここ数十年のツアーにおけるドライビング・ディスタンス、飛距離の変遷をまとめた“ディスタンスレポート”を発表しています。進化するゴルフギア、変わっていくルール。飛距離はいかにして伸びてきたか、限界はあるのか。すべてのゴルファー必見のレポートに迫ります。

ディスタンスレポート、概要

ディスタンスレポート1出典 USGA

ディスタンスレポートによれば、2003年から2015年までの13年間、実はツアーにおいて飛距離はあまり伸びていません。レポートは注目すべき事実として以下の点を挙げています。

  • 2003年から2015年シーズン末までで、調査した7つのツアーのうち4つのツアーにおいてドライビング・ディスタンスの平均が上昇している。その値は約1%、毎年0.2ヤードずつである。
  • 同じ時期に、残りの3つのツアーにおいては平均飛距離が約1%減少している。
  • 米PGAツアー、ヨーロピアンツアーの場合、飛距離が“大きい”選手と“小さい”選手が占める割合はほぼ同じである。
  • 米PGAツアーのヘッドスピード、打ち上げ角、ボールスピード、バックスピン、などの平均値は2007年よりほぼ安定している。

全米ゴルフ協会と全英ゴルフ協会が、選手のゴルフギア性能への過剰な依存を防ぎ、選手自身の技術を尊重しようとする指針を打ち出して以降、飛距離に大きな変化がないことが分かります。ディスタンスレポートはジャパンゴルフツアーの数値も報告していますが、平均飛距離は2015年の数値が2003年のものを下回るという結果に。米LPGAツアーなども飛距離はやや減少傾向にあり、世界的にも飛距離はほぼ安定傾向にあるといえます。

飛距離は“安定の時代”に入った

ディスタンスレポート2出典 USGA

ゴルフ界において、飛距離は“安定の時代”に入ったと言って間違いないでしょう。ゴルフ史において、飛距離は2つの時期で、大きく向上しています。まずは90年代前半から2000年ごろまでにあったクラブの技術革新。チタンなどの金属をふんだんに使ったクラブが主流となったこの時代に、飛距離が260ヤードから270ヤード強まで、10ヤード以上飛距離が向上しました。

そして2000年代初頭の数年間で一変したゴルフボールのテクノロジー。この時期に、今となっては主流のウレタンボールや多層ボールなどが存在感を大きくしていきます。ボールの真価によって飛距離がさらに15ヤード前後アップしました。

2度の飛距離変革期を経たのち、2003年から現在まではほとんど飛距離が変化しない“安定の時代”に入っています。2003年以降もギア性能などを制限する新たなルールが次々と施行されていることを踏まえると、“安定の時代”は今後もしばらく続きそうです。

最新ギアは必要なのか

ディスタンスレポート3出典 USGA

飛距離“安定の時代”に入った2003年以降も、最新のゴルフクラブ、ゴルフギアが続々と登場しています。ルール化において劇的なテクノロジーを採用するのがなかなか難しい中、本当にギアは進化しているのでしょうか。

ディスタンスレポート4出典 USGA

ディスタンスレポートには飛距離の変遷と合わせて、スコアの変遷も報告しています。飛距離が向上した時期に合わせてスコアがアップしているほか、2003年以降もスコアが向上していることが分かります。つまり、飛距離自体は停滞気味であるものの、ゴルフギアの進化がスコアに好影響を与えていると考えることができます。

近年、ゴルフギアは飛距離性能に次いで、ミスに寛容なやさしさなどが著しく進化しています。ナイキの撤退を受けたローリー・マキロイやタイガー・ウッズが、テーラーメイドのM1ではなくM2を選択したことなども、ツアープロでさえ無理なく飛ばせるやさしさ、を重視しているトレンドの表れだといえるでしょう。

また、米PGAオフィシャルサイトでは、2003年と比べて2016年の最高飛距離は減少しているもののドライビング・アベレージが300ヤード以上の選手が3倍に増えたという、米PGAツアーの実態を指摘しています。それだけ、ギアの進化によってより多くのゴルファーの飛距離アップの可能性が開いたということなのでしょう。

ゴルフボールのグリーン周りの操作性なども着々と進化しています。やはり、最新ギアにはそれだけの価値があるのでしょう。

まとめ

飛距離“安定の時代”に入った2003年以降、ギア性能と規制のいたちごっこが続いています。飛距離性能以外でも、操作性においてフェースの溝の規制が進むなど、ゴルファーの本来の技術による試合運びをみせたい、という協会側とメーカー側の駆け引きは今後も続いていきます。

ディスタンスレポートは全米ゴルフ協会のオフィシャルサイトより、誰でも閲覧することができます。詳しい内容が気になった方はぜひ一度目を通してみてください。

参考
全米ゴルフ協会
“USGA and R&A Publish Joint Distance Study”

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